【意見公募は必要?】行政指導指針とは【中止や処分等の求めも解説】

行政手続法
悩めるおじさん
悩めるおじさん
  • 行政指導指針ってなに?
  • 行政指導指針には意見公募が必要?
  • 中止の求めと処分等の求めってなに?

そんな悩みに答えます。

本記事の内容
  1. 行政指導指針とは(事例で解説)
  2. 行政指導指針には意見公募が必要か
  3. 行政指導の中止の求め
  4. 行政処分等の求め

を分かりやすく解説します。

✔︎この記事を信頼性

野球一筋で、全く勉強してこなかった僕が、
2年間予備校でみっちり行政書士の勉強をして行政書士資格を取得。

・予備校で学んだ分かりやすい解説
・自分なりに発見した誰でも理解できる勉強法

を昔の自分でも分かるように、素人目線で解説していきます。

✔︎読者さんへの前置メッセージ

行政指導は得点源です。しかし、細かい規定も多く完璧に理解できていない方が多いのではないでしょうか。

そもそも行政指導とは何かということを、もう一段階深堀していくと答えは自然と見えてきます。

この記事では、条文ごとに事例を使いながら分かりやすく解説していきます。テキストだけでは掴みきれない部分まで深堀りをしていきます。

私は手続法はかなり自信を持って試験に臨めましたので、その知識をお伝えしたいと思います。

それでは、早速見ていきましょう。

行政指導指針とは

行政指導指針とは、
同一目的の行政指導を複数人にする時、共通の内容となる事項のことです。

(複数の者を対象とする行政指導)36条
 同一の行政目的を実現するため、複数の者に対し行政指導をしようとするときは、行政機関は、あらかじめ、事案に応じ、行政指導指針を定め、行政上特別の支障がない限り、これを公表しなければならない。

このように、
複数の者に行政指導する時は、行政指導指針を定めなければいけません。

例えば、「全国のラーメン屋さんを対象とした行政指導」をしなければならない。

このような時の、規定を設けています。

その理由は?

行政指導指針を定める理由は、担当者によって指導の基準が変わってはいけないからです。

ラーメン屋の話で言うと、

事例

全国のラーメン屋を対象とした行政指導する時に、A県とB県で基準が変わってしまってはいけませんよね。
各県のによって差が出ないように、共通の内容となる事項を決めないといけません。

例えば、
「ラーメン屋を開業するものはメニューにとんこつラーメンがないといけません←これが行政指導指針です。

 

屁理屈さん
屁理屈さん

そんな行政指導があったら最高だな…(笑)

また、「行政指導指針」って漢字も書けるようにしましょう。

行政指導指針も意見公募が必要

行政指導指針を定める時は、意見公募をしなければなりません

政令を決めるのに意見公募が必要なのは覚えやすいですが、行政指導指針にも必要かはうっかり忘れやすいです。

国民の生活に大きな影響を与えるものなのでこれは法的義務であり、必ずしないといけません。

意見公募に関してはこちらで詳しく解説しています。

行政指導指針 まとめ
  • 複数の者に行政指導する時は、行政指導指針を定め、公表しなければならない
  • 行政指導指針は担当者によって差が出ないための規定
  • 行政指導指針を定める時は、意見公募が必要

行政指導の中止等の定め

行政指導を受けた者は、行政指導を中止する訴えを起こす事ができます。

行政指導の中止の求めとは、
行政指導を受けた事業者などが「この行政指導はおかしい、中止だ!」と主張することです。

意味もわからず行政指導されて、違反者だ!と勝手に氏名を公表されても困りますよね。

事例A

例えば、健全に営業しているお店に立入検査が入ってきて、何も違法行為をしていないのにも関わらず、「違反だ」と行政が騒ぎ立ててきた

事例B

重要案件なのに、「趣旨/内容/責任者」も示さかったり、
何も手続きを踏まずに、いきなり立入検査をしてきた時。

これは行政の行為に違法性があります。

この時は、行政指導の中止を主張できます。

ただし、何でもかんでも「中止だ!」と言うと収集が付かなくなりますよね。
そこで中止を主張できる時の要件を作り、制限をしています。

主張要件

主張要件は、

  • 主張者は、行政指導の相手方に限る
  • 行政指導が法律に根拠のあるものであること

違法性のある行政指導を受けた本人が、「違法だから中止にしろ!」と言えるのです。

主張方法

  • 申出書で主張する

口頭で騒ぎ立てても行政に声は届きませんよね。

しっかりと書面で申し出る必要があり、これを申出書と言います。
申出書を受け取った行政は、必要な調査を行い行政指導が違法だと認めるときは、中止その他必要な措置をしなければなりません。

処分等の求め

何人も、行政に対して特定の事業者への行政指導や行政処分を求める訴えを起こす事ができます。

処分等とは、
不利益処分行政指導のことを指し、国民から行政に対して、「あそこの店おかしい、処分等をしてよ!」と主張できます。

行政も常に全てを監視できる訳ではないので隠れて違法行為をしているお店などは見つけづらいですからね。

例えば、明らかに違法な営業をしているキャバクラを告発することです。

 

Atsushi
Atsushi

行政に通報するって感じだね。

主張要件

主張要件は、

  • 主張者は、何人でも可能。
  • 是正されるべき行政指導が法律に根拠のあるものであること

誰でも、おかしいと思ったら行政に対して「あの店に処分か指導しろよ!」と言えるのです。

主張方法

  • 申出書で主張する

こちらも口頭で騒ぎ立てても行政に声は届きませんよね。

しっかりと書面で申し出る必要があり、これを申出書と言います。
申出書を受け取った行政は、必要な調査を行い必要があるときは、処分または、行政指導をしなければなりません。

Atsushi
Atsushi

主張方法は「中止の求め」と同じ。
要件の違いを間違えないように。

中止・処分の求め まとめ
  • 行政指導を受けた者は、行政指導を中止する訴えを起こす事ができる
  • 何人も、行政に対して特定の事業者への行政指導や行政処分を求める訴えを起こす事ができる
  • 双方とも行政指導に法律の根拠がある時

まとめ

  • 行政指導指針を事例で解説
  • 行政指導指針には意見公募が必要
  • 中止の求めと処分等の求め

を解説しました。

意外と手薄になりやすい分野です。事例を見ながらしっかり覚えておきましょう。

また、ここで学んだら一度過去問を解いてみましょう。それでも解らなければまた本記事に戻ってきてください。

この記事を書いた人
酒井 淳

グリー行政書士事務所の代表。
3年間かけて、行政書士試験に合格。
苦労してきたからこそ伝えられるポイントがあると思い、条文解説の記事を書きました。
プライベートでは、、愛する2人の子どもの為に日々奮闘中!

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